中元 俊介

展示場所

A-1 明延鉱山北星長屋社宅 10:00-16:00

作品情報

個展
2012年  「Laiden und shaft」 日本の家 Leipzich Deutschland

グループ展
2015年  「メリケンシーサイドギャラリーPart2」 
        神戸メリケンパークオリエンタルホテル

       「下町芸術祭 Painterliness」 ふたば学舎 神戸 

2018   「龍野アートプロジェクト2018 混成軌道」 
        龍野 兵庫 

ディレクション
2015年  「下町芸術祭 障害者アーティストインレジデンス」
        Atelier KOMA 神戸

2017   「下町芸術祭 下町すちゃらか新喜劇」
        駒ヶ林町 神戸

受賞歴
2017年  「ターナー色彩株式会社賞」 第5回川西まちなか美術館

最終学歴
2009年  大阪芸術大学 デザイン学科
ステートメント
中元俊介は1986年兵庫県神戸市生まれの長田区在住。大阪芸術大学卒業後、単身ベルリンに渡独・個展を経て帰国し、現在は福祉事業所エコールKOBEにて芸術講師を務めている芸術家である。制作方法としては画布にアクリルでペインティングするのが主流である。今回は木製パネルにペインティングしている。ダイナミックであり時には繊細さ・規律を重んじた技法も取り入れ、制作スタイルは幾度も変化・多様化する。それは彼自身が「絵画が自由であること」、「日常的で個人的な感性へと開かれていくこと」、「イノセントであること」を作家活動の重要な要素としてあげていることと深く関係している。近年では繊細な色使いと記号化された柔和な形象によって画面構成することも多く、尺度から自由な点においても彼の作家としてのスタンスが通底している。今回の展示では、空と月、錫と過ぎ去った生活をテーマに空間ドローイング的ペインティングのように、絵画を空間や環境にダイレクトに連続させようとする試みである。ユーモラス且つユートピア的思想に溢れた彼の作品世界にダイブしていただきたい。

作品内容
 昭和中期、一人の男が家族と共に北星社宅に住んでいる。
 昨晩は同僚と上機嫌で飲んで、どのように家に帰ってきたのか記憶が定かでないが、月明りが足元を明るく照らしていたことは妙にはっきりと覚えている。
昨日の酒を頭の後ろに感じながら冷たい水で顔を洗うと少し食欲が出てきた。子供たちと共に支度をして、台所で洗い物をしている妻にいってきますと一言言って家を後にする。
 玄関を出ると、向かいの山の上に昨日の月がまだ残っていた。昨日の夜は道案内をありがとうと心の中で呟いて、雪の少し残る道を歩いていく。共同浴場の脇を通ってタバコ屋のお母さんと、今日は雲一つないいい天気だねと、いつもと同じ天気の話を交わし、晴れているからか少し肌寒いなと思いながらも、もうすぐしたら春が来ることを明延川が告げている。
 現場にはいつもと同じ顔触れ、昨晩の話を冗談交じりに話し合い朝礼を迎える。
 いつの間にか男の顔からは笑みが消え、目の中に一筋の光をやどし坑道へと入る。トンネルをくぐる瞬間に、最近生え始めた次女の歯のことがフラッシュバックのように瞼に映る。